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「百合」って何だろう?端的に言えば、女の子同士のすこし特別な関係性――恋愛感情に限らず、友情や愛情、敬愛、嫉妬といった強い感情がともなえば百合だと個人的には思っていますが、それは人によって違うでしょう。なぜかというと、彼女たちを観測し、百合だと思うのは"あなた"自身だから。誰にも後ろ指をさされない自分だけの聖域……そんな、それぞれの思う百合を表現した作品を集めたのがこちらの百合展です。

 百合は今、薄氷の上に立っていると思います。相つぐ百合作品のアニメ化、一般文芸誌での百合特集、出版界的には堂々と百合と銘打てるようになりました。本イベントで紹介している以外にも魅力的な作品は今なお増え続け、バリエーションも豊か。界隈の外からも「百合が来ている」と注目され、今とても百合がアツい。それでも危機を感じるのは、何事も盤石ではないからです。ブームはいつか去るし、他にも様々なアクシデントが起こり得る。百合展2018東京会場は、場所変更というアクシデントを乗り越えての開催となります。それは、「百合」が自粛させられたのではありませんでした。しかし、全くの対岸の火事ではありません。都条例も違法アップロードサイトも見過ごせない。他人事だとのんきに構えていたら、すぐ足元をすくわれ、百合にとって冷たい時代に逆戻りです。百合を諦めない――その熱は、絶やさずにいたいです。

 今、百合に必要なのは、ひとりひとりの「好きだ」という声だと思います。もちろん、他人の目が気になる社会において、好きなものを好きだと言うのは未だ容易ではありません。ですが、我々の好きなものは果たして恥ずべきものなのでしょうか?恥ずかしいという気持ちで押し込めておけるほどの「好き」でしょうか?自分の心にまっすぐに「大好きだ」と叫んだ時、きっと世界は変わります。きっと、自分自身も。

 百合展は、その一歩だと思います。あえて現実世界のど真ん中で開催し続けている本イベントは、今年で3度目。協力して下さる作家様も、開催地も増えました。それを支えるのは、やはり、足を運んで下さる皆さまの存在。今、これを読んでいる方の中には、様々な都合をつけてやっと来られた方もいると思います。もしかしたら、ちょっぴり気恥ずかしさを抱えている方もいるかもしれません。大丈夫です。みんな同士です。粛々と、たしなみを持って、ゆっくりご覧いただければ幸いです。百合愛を深めたり、初めての百合に出会ったり、百合とは何かを見つめ直したり。どうか素敵な出会いが皆さまにも訪れますように。開催、心からおめでとうございます。

綾奈ゆにこ
脚本家/『ちいさな百合みぃつけた』(KADOKAWA刊)著


2018/04/23(月) 17:31 PERMALINK COM(0)
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